『故中村哲医師の思いを伝える』講演会
2021年 07月 06日




講師の橋本康範さんは、2002年から3年間中村哲医師のもと、PMS(ペシャワール会医療サービス)の現地ワーカーとして主に農業事業・灌漑事業に従事。橋本さんは、私の住んでいる山元町からすぐ近くの大河原町にお住まいのことからこの講演会が実現した。
2000年に大干ばつに見舞われたアフガニスタンにて医療活動に携わっていた中村医師は水不足により多くの命が失われていく中、何よりも水が必要だと自ら大型の重機を動かし水源確保事業を進め何十万のアフガンの人々の命と生活守った。知れば知るほど桁外れの大きな、人となりを見た思いがする。
橋本さんの話には、アフガニスタンの子供たちの様子や、普段の生活環境や食生活など、あまり知られていない貴重な話も聞くことができた。

私は、50年も前のことですが、登山隊の一員としてヒンドゥクッシュ山脈の高峰を目指して訪れたことがありますが、感じたことは、当時の私が見た風景、現地の人たちの姿はほとんど変わっていない。それが良いのか意見が分かれるところだが、町にはコンビニなどはあるし、携帯などもかなり普及しているそうだが、少し山に入ると衣食住などはあまりにも変わっていないことに驚きを禁じえないことでした。大干ばつや紛争の中で食糧もなく生きていく事がいかに苦しいことか、食べるものがあれば兵隊なんかにはならない、食べるものがないから戦争に行くのだと。言っていた老人の話もそれが現実なのだ。
紺碧の空に雪を頂いた山々の風景が懐かしく思い出される。

(文責 千石信夫)