山元町真庭地区に現存する古民家について

 あの震災で山元町の浜通りは津波に流されました。内陸側においても地震の被害が大きく、所謂文化遺産的な建築物も解体せざるを得ない現状です。そのような状況のなかで、真庭地区でとりわけ古いと言われている住宅が解体されることを知りました。どの程度の古い屋敷なのかを調査してもらいたいと、古民家を専門的に修復されている安井妙子氏に依頼しました。予備的な調査ではありますが、230年~250年を経過(江戸中期)した屋敷であることがわかりました。
 18世紀中頃の古民家が山元町に未だ現存していることに驚くと共に何とか保存出来ないかと強く思いました。「宮城県の古建築」として《宮城県文化財調査報告書第151集》を宮城県教育委員会が平成4年に発行しています。山元町の古建築1件が調査されておりましたが、それは浅生原字日向の清野家の住宅でした。「古式な架構、閉鎖的な家構、とこ、とこわきの意匠などから推して、かなりの古家とみられる。18世紀中期を降らない建築」と報告されています。残念ながらこの住宅はすでに取り壊され、現存しておりません。真庭の住宅はその清野家とほぼ同時代の住宅です。
 「古い家がない町は思い出のない人間と同じである」とは画家の東山魁夷氏の言葉。山元町にはこのような利用可能で、大きな価値のある文化遺産としての建築物が現存しているのです。これを保存し活用することにより、趣きや魅力のある町になるのではないでしょうか。
山元町は震災復興で様々なものが生まれ変わりつつあります。山元町として何を心のよりどころとして復興していくのでしょうか。古いものをなくすことは簡単ですがそれを取り戻す事は不可能です。価値のあるものを残していくことこそ後生への私たちの責任ではないでしょうか。何が大切なのか、智惠を出し合って山元町の未来を考えて行きたいと思っております。

文責(千石信夫)
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by tyama2001 | 2013-03-23 23:00 | 亘理・山元ニュース