福士先生の自己紹介
2009年 08月 04日
福士 尹(ふくし つかさ)

私は,青森県の南津軽の田舎に生まれ,育ちました。どのくらい田舎かと申しますと,弘前の中学校へ通うために,最寄りの鉄道駅まで徒歩50分,汽車に乗っている時間が20分,弘前駅から学校まで徒歩25分,合計片道1時間35分かかりました。でも,たくさん歩いたお蔭で体が丈夫になりました。
子供のときは,虫や花が好きでも嫌いでもありませんでしたが,高校や大学で勉強するうちに好きになって,生物学を職業にするようになってしまいました。そのときになってようやく,いかに私が生物を研究するのに恵まれた環境に育ったかを実感するようになりました。だって学校へ通うのに毎日2時間近くかけて田舎道を,動物を追いかけ,虫を捕まえ,花を摘みながら歩いたのですから。都会に育った人に比べて,生き物についてずっとずっと多くのことを,自然から学んできたのです。
イタリアのナポリにある臨海実験所(海の生物を研究するところ)の入り口に,こんな文のプレートが掲げてあるそうです。”Look the nature, not the book.”