常磐線山元新ルート案
2011年 08月 28日
河北新報報道の概略
宮城県山元町が、津波で線路や駅舎が流失したJR常磐線を内陸側に移設する案を東日本大震災復興計画の土地利用構想案に提示される。町内の山下、坂元両駅の移転候補地も示している。ただ、一部の沿線住民は現行ルートでの暫定開通を求めている。
山元町の土地利用構想案は図の通り。常磐線の新たなルートは、津波の浸水深が2メートル未満の区域を前提とし、現在のルートから1~1.5キロ程度、内陸側に移設する方針を示した。
新山下駅の移転先は現在地より西約1キロで、県道山下停車場線と農免農道の交差点西側を想定。新坂元駅の候補地は現在地の西約1.3キロにある国道6号坂元交差点付近を挙げた。新山下駅~新坂元駅の一部区間は国道6号西側を迂回(うかい)する構想。
町の復興に当たっては、新山下駅と新坂元駅、国立病院機構宮城病院を拠点とした3カ所の市街地を形成する計画。新規宅地開発や災害公営住宅の建設などを進める。
町は津波で被災した沿岸部の住民の集団移転を促進するため、建築基準法に基づき、住宅建築を制限する「災害危険区域」を沿岸部に設定する考え。同時に、町が災害危険区域の土地を買い取る手法も検討している。
現在の常磐線ルートは盛り土をするなどして堤防機能を持たせ、津波被害を受けた県道相馬亘理線を移設する方針。2014年度開通予定の常磐自動車道相馬―山元間には、県道角田山元線近くにスマートインターチェンジの設置を要望する。
取材 山下